笑顔の中に、博識を感じさせる高木吏花さん。2021年の1月からArcadeResortOkinawa(以下ARO)に滞在いただいている宿泊者様です。
今回、りかさんにインタビューを行い、宿泊者から見る沖縄市(コザ)について聞いてみました。
ドイツから3年で帰国
福島県生まれ福島育ち。インタビュー時(2021年4月)23歳の笑顔が素敵なりかさん。一見、沖縄市とは関係が無い生い立ちの彼女が、なぜ沖縄市に滞在することになったのか。その理由は高校卒業後の人生にありました。
高校生までは、地元福島で学業に励んだのち、卒業後は国外へと飛び出します。
「スポーツを通した人との繋がり。スポーツを通したコミュニティづくりに興味があって、『スポーツ社会学』を学びにドイツの大学へ行きました。」
しかし、タイミングが悪く新型コロナウイルス感染症の影響が。ドイツへやってきて3年にして岐路に立たされます。
「コロナの影響などが重なって卒業できなくなったんです。テストが延長になった関係で、ビザが無くなったりと。ドイツには3年住んでいたんですけど、仕方なく帰ってきました」
その後、東京に戻り「何か良い仕事は無いかな」と探しつつも、「でも大卒欲しいな」との葛藤が。そこで、りかさんが行きついたのが通信の大学に通うという選択肢です。ところが、通学がはじまるまで3ヵ月間の空白の期間が生まれることが気になったそう。
生活環境が英語圏になるのでは
ドイツから帰ってきたときには「IT」に興味が出てきたりかさん。人と人の「繋がり」を作る上で、デジタルが重要だと感じ「プログラミング」と「英語」を学びたい意欲に溢れます。
「3ヵ月間、英語とかプログラミングの勉強を集中したいなと思って探しました。生の英語に触れるという意味で、『沖縄なら米軍基地の中でバイトをすれば生の英語に触れられるのでは』と思ったんです。」
東京にある英語教室だと、日本人のコミュニティのまま英語を勉強するのが寂しそうと感じたりかさん。沖縄ならアメリカ人の方も暮らしている上に、もし米軍基地でバイト出来たら生活環境が「英語圏」になると考えました。
StartUpLabLagoonKOZAを見て即決
沖縄に来たのは今回で2回目。1度目は高校生の修学旅行で、美ら海水族館や那覇、読谷を巡ったそう。そんなりかさんが、なぜ滞在地に沖縄市(コザ)を選んだのか。
それには、沖縄市の起業促進施設StartUpLabLagoonKOZA(以下Lagoon)が深く関係していました。
「沖縄のプログラミング教室を探しているときにLagoonのホームページが目に留まったんです。勝手に『面白そうっ!』って思いました。プログラミング教室を運営しているだけじゃなくて、起業家を1年間で60人排出しているとか、イベントをやっているという情報を見て即決です。」
福島県出身という地方のコミュニティで育った高木さんだからこそ、Lagoonにも似たようなコミュニティの匂いを「ビビッ!」と感じます。
チャレンジ出来る街
「海がキレイな恩納村とか、読谷のカフェとかも好き」と語るりかさんですが、プログラミング教室に通う内に「成長」できるフィールドがあるコザに魅力を感じていきます。
「コザってなんでもチャレンジ出来る街かなと思うんです。沖縄の文化だけじゃなくて、アメリカの文化だったり、ロックとか、民謡とか。色んな多様性があるからこそ、逆にリスクを負って挑戦できる気がします。色んな人がいるからこそ、色んな学びがあって、自分の成長に繋がる学びを自分から取りに行ける」
「失敗しても助けてくれる人がいる」と、なんでも挑戦できる環境に「コザに残りたい」という気持ちが芽生えてきます。
一方で、「ガッツリ沖縄を観光したい人には向いていないと思います」との冷静な意見も。「リゾート感のある海に行きたいとか、観光地周りたいとか、THE沖縄観光を求めている人には向いてない気がしますね」
清潔感とコミュニケーションスペース
「Lagoonのホームページにギークハウスっていうシェアハウスの情報が載っているんです。それ見てギークハウスで過ごそうと思っていました。けれど、いざLagoonに初めて行くと『女の人が来るとは思いませんでした』と言われて。『えぇ~っ』ってなっちゃって。どうやら、ギークハウスは女性の方はいなかったみたいで。そのときに『AROもあるんですけど、どうですか?』と声をかけられたんです」
AROへの宿泊までの経緯は、ひとことで言えば「たまたま」。しかし、偶然にも滞在地となったAROが、リカさんの心を掴みます。
「まず何よりキレイだなぁって。清潔感があって。それだけで『やったー!』と思いました。それに2階のフリースペースが気に入っていて、宿泊者同士でおしゃべりをしたり、お菓子とかを持ち寄って音楽を聴けるのが楽しい」
AROに宿泊する方の職業や人生の話。2階のフリースペースが、宿泊者のコミュニケーションの場となりました。
ただ、長期滞在をしているりかさんだからこそ「料理をする人にはAROをオススメ出来ない」と呟きます。
「AROはキッチンが無いから『滞在中に自炊をしたい人』はオススメ出来ないですね…どうしても、長く滞在していると『外食じゃなくて自分で作りたい』と感じたので、そこは気になりました」
プチ移住のはずがガチ移住へ
当初の予定は、プログラミング教室が終わった後は、東京へ戻りそこを拠点として通信大学へ通学を考えていたりかさん。地域の面白さ、人との出会いが高木さんを沖縄へと留まらせました。
「実は米軍基地でのバイトは落ちちゃったんですけど、Lagoonの方が拾ってくれたんです」
現在はLagoonの関係施設にて受付のお仕事をしながら、英語と通信大学の勉強に励みます。
「私自身は被害があったわけではありませんが、出身の福島県は震災と原発の影響がありました。友達とかでも避難する子がいて、人との繋がりって物理的に簡単に離れちゃうんだなと感じたんです。『繋がり』に興味を持ったのはそのときがキッカケだと思います。でも、たとえ物理的に離れても心のどこかで繋がっていれたらいいなぁって。だって、家族とか友達ってお金に変えられないものじゃないですか。それを震災のときにすごい強く感じて。そんな『繋がり』をどう社会に価値として見せていけるかなって、ずっと考えています。」
そう語るりかさん。現在はAROに滞在しながら、プチ移住からガチ移住へとステップを踏むべく物件を探しています。