おっとりした雰囲気からは想像もつかないほどのパワフルさを秘めている松田千恵美さん。2021年6月から10月までの間、ArcadeResortOkinawa(以下:ARO)を利用していただいた宿泊者様です。
そんな松田さんへ、沖縄市(コザ)に宿泊したキッカケや、コザの面白さについて、お話を伺ってみました。
見た目からは想像できないパワフルエピソード

新潟生まれ、新潟育ち。やわらかい人当たりに気持ちが緩んでしまう。そんな優しい空気を纏う松田さん。雪国育ちと聞いて思わず納得「やまとなでしこ」を彷彿とさせるような、おっとりとした雰囲気が特徴的です。
しかし、おっとりした雰囲気とは裏腹に、話を掘り下げていけば出てくる出てくるパワフルエピソード。
新潟で国語教師を勤めていたものの退職。「世界を見てみたい」との思いから、韓国、台湾、マカオ、香港、フィリピン、ベトナムといった、アジアの国々をまわります。これが、普通の旅行であれば変哲もないことですが、ツアー旅行でもないうえに「一人旅」というから驚き。
「英語が喋れるから旅に不安がないんですか?」そんな質問に、あっけらかんと答えます。
「英語を喋れるってわけじゃないですよ(笑)中学一年生基礎レベルの英語力と、Google翻訳と、Googleナビさえあれば、どこでも行けます。」
1泊400円の宿に泊まることもあれば、現地で住み込みのお仕事を見つけることもあったそう。
「パラオでは、一ヵ月くらい住み込みのお仕事をさせてもらうこともありましたね。タダで寝床とダイビングさせてもらうかわりに、ダイビングのお仕事を手伝うなんてこともやってました。」
移住先の候補として沖縄へ

沖縄に来られたのは久しぶりと語る松田さん。以前来られた際は、「観光」というよりも「お仕事」の色が強かったようです。
「沖縄は、すご~く昔に友達と2泊3日の日程で来たぐらいですかね。って言っても、そのときは中学校の教員として働いていたので、『修学旅行』の下見を兼ねてっていう感じでした。『平和記念公園』があるエリアを中心にまわったのを覚えています。戦争にまつわる歴史を知るような旅がメインでしたね。」
そんな松田さんが沖縄に来たキッカケは「移住先の候補」でした。
「住む場所として、『地元』にこだわっていないんです。だって、新潟って、もう寒くって寒くって(笑)だから、まさに移住先を探してて、その候補だったのが、たまたま沖縄っていうぐらいです。試さないと分からないから、とりま行ってみようみたいな(笑)それぐらいの軽い気持ちでした。」
最初に選んだ拠点は「北谷町」です。特に大きな理由があったわけではなく、決め手は「値段だった」とのこと。
「一泊がめっちゃ安くて、即決でその宿泊場所に決めました。値段で決めた部分が大きかったんですけど、ほんとに住みやすかったです。海も近いし、買物するにはイオンがあるから困らない。最高でしたね。」
仮住まいとして北谷に満足していた松田さんが、なぜコザに宿泊するに至ったのか。転機となったのが「プログラミング教室」です。
「私、パソコン使うくせに、すごい苦手なんですよね(笑)だからこそ、『これをちゃんと使いこなせたら自分の人生変わるぐらい便利なんだろうな』って本土にいるときから思っていたんです。そんなときに聞きつけたのが、コザにあるStartUpLabLagoonKOZAのプログラミング教室の情報でした」
アクションに躊躇がない松田さんは、すぐさまStartUpLabLagoonKOZAが開催するプログラミング教室の説明会に出向くことに。しかし、いざ現地へ赴くと予想とは違う展開へと物語が動きます。
「StartUpLabLagoonKOZAで受講する気マンマンだったんですけど、『開催方法』がどうしても気になったしまいました。新型コロナウイルス感染症の影響がひどい状況だったので、『オンライン開催になるかも』との説明があったんですよね。でも、そもそも私パソコンが苦手だから『オフライン』で受講したくって…」
そして、もう1つ気になることがあったそうです。
「開催時期も気になってしまいました。開催するのが説明会から1ヵ月後だったんです。私としては『早く受けたい!』という気持ちが強くって。そう思いながら説明会を後にして、たまたま通りかかったのが、同じくコザでプログラミング教室を展開している『スナバココザ』でした」
どうやらスナバココザは開催時期も近く、オフラインでの開催だったようで、松田さんの希望にドンピシャ。ここに通うことを決意します。
サブカルな雰囲気を持つコザ

北谷に拠点を持つと同時に、同じく北谷にてコールセンターでの職を見つけていた松田さん。平日の日中は8時間仕事をして、終わった後にはスナバココザで3時間プログラミングを勉強する日々が始まりました。
プログラミング教室の期間は2ヵ月間。仕事をしている松田さんにとって「疲労」との戦いはもちろんのこと、「移動」も頭を悩ますタネに。車を持っていない松田さんにとって「交通費」が重くのしかかってきます。
「仕事終わったら直ぐバスに乗ってコザに行くんですけど、プログラミング教室が終わる22時っていう時間はバスが運行してなくて、仕方なくタクシーで帰っていました。けど、泊まっていたホテルが安くても、結局帰りのタクシー代で消えていく。それならと、たまに泊まらせてもらっていたAROに拠点を移すことにしたんです」
「もともと東京にいたときの知り合いで、『AROいいよ』って聞いていました。なので、プログラミング教室の説明会に行ったときとかに、実はAROにちょくちょく泊まっていたんです。」
ありがたいことに、泊まっていただけた際に「すごく素敵な場所」「泊まりやすい!」と気にいってくれたようで、ついにコザ(ARO)へと拠点を移します。
「プログラミング教室」を入り口にコザへ足を踏み入れた松田さん。コザが持つ唯一無二な独特な世界観に魅了されていきます。
「すごいサブカル的というか、マニアックな通好みの感じがありますよね。音楽とか芸術が楽しめそうな場所だっていうのが、すごい味わい深い」
「昔ながらの沖縄の片鱗が見える場所でもあるのかなと感じました。街の雰囲気、お店の雰囲気、佇まいにそう感じさせられてしまいますね」
松田さんがコザに滞在されたときは、新型コロナウイルス感染症の影響で「緊急事態宣言」が発令されていたタイミング。そのため、街としての盛り上がりには欠けていたようで「多分まだ本領発揮してないですよね。盛り上がっているコザをこの目で見たかったです…」と、悔しそうな感想もありました。
オシャレなデザインと人柄に惚れ惚れ

プログラミング教室に通うための拠点となったARO。2階の共用スペースと、デザイン性が松田さんの心を掴みます。
「共用部分が広いのがありがたかったし、すごいオシャレだと思いました。よくここでパソコンを使った作業をしていましたね。」
一方で、長期滞在されたからこそ、こんなご意見も。
「部屋が間接照明になっていて、雰囲気としてはすごくいいんですけど、『長期で住む』となったら少し引っかかりました。寝るだけの場所としてのお部屋なら問題なくって、むしろ素敵な雰囲気なんだけど『作業』となると暗くて2階に行ってましたね。眠りやすい部屋という意味ではいいかもしれません(笑)」
また、パソコンを利用する松田さんだからこその意見もありました。
「Wi-Fiがときどき弱くなっちゃうのが気になりましたね。ZOOMを使うときにカクカクすることがあって…いまワーケーションの流れがあるからこそ『ここが改善すればもっと良くなるかも』と勝手に思っちゃってました」
インタビューの終わりかけには、宿泊施設を運営する私たちにとって嬉しいお声もありました。
「ゴマすりみたいで『言いにくいなぁ』と思っていたんですけど、AROさんを管理する方のお人柄が好きですね。媚売っているみたいで『言わないこうかな』と迷っていたんですけど・・・(笑)AROの魅力は建物だけじゃなくて、人柄にも表れていると思います」
おわりに
今回の滞在で「沖縄」に惹かれた松田さん。移住先として沖縄への想いが強くなったそう。
「沖縄気に入ったので、本格的に終の住処になるような場所を探そうと思っています。ただ、結婚を約束している彼が、海外の人なのでそもそも日本に住むのか、向こうに住むのか、まだ分かんない段階ですね。」
AROをチェックアウトした後は、宮古島に行かれたようでフットワークの軽さは健在でした。